「ハーヴェイ・ミルク」、「ボディ・スナッチャー」(米1956 ドン・シーゲル) と東亜亭のランチ
2009年 12月 14日
ハーヴェイ・ ミルクという人は、自分のため、仲間のため、マイノリティー全体のため、ひいては人類の寛容性と真の解放のために戦ったんですねー。彼の暗殺直後の通夜の行進にはマイノリティーだけでなく「マジョリティー」とされている人々も多く集まったのもナットク。
ヴァン・サントらしい映像の遊びも散りばめられていて”社会もの”という分野に新風を吹き込んだのではないかな。オフィスのPCの壁紙は本作のものにし、些細な事でイライラする時は「ハーヴェィは自分のためだけじゃなく、人類の真の解放のために戦ったんだぜい!」と自分に言い聞かせてたりする。
1956制作だけど、特殊効果は殆ど無しなのでこの時代のSFにありがちな滑稽なところは一切ナシ、見事な照明とシナリオで最初はジワジワ、後半はガッツリと、日常の中の恐怖がリアルに迫って来たぁ〜。
あらすじは未知の生物体が(異星人なんだろうけど言明はされてない)人々の体と心を記憶ごと睡眠中に乗っ取っていくというもの。何しろ顔かたちと記憶はそのままなので、ごく身近な人しかその変化に気づかず、かえって異常を訴える人の方がノイローゼ扱いされてしまい、そうこうしているうちに小さな地方都市市民全員が異物化していく…というもの。彼らは『感情が無い』というスゴい強み(!)を持っているので黙々と使命を遂行していく。
最期に残ったもともな人間である精神科医とその恋人は異生物達の追っ手から必死で逃れるが。。。(続きは本編で)というもの。
この作品、共産主義を象徴している、というケチな解釈があるらしいが、いかにも冷戦時代の発想だね。。ドンはそんな小っさい人間じゃないぜ!それを言ったらハリウッドのレッド・パージだって同じくらい怖いぜ!
これは全体主義そのものとか、人間間のディスコミュニーケーションという事ではなかろうか。
本作はまがりなりにもラストに救いがあるのだけど、70年代に名優ドナルド・サザーランド主演で再映画化された際はアンハッピーエンドらしいですね。あまりにも暗いよ。。。
本作はアクション・エコールで上映されてたので、鑑賞前の腹ごしらえはパンテオン近くの『東亜亭』で。
パリの和食レストランは殆ど行かないけど、東亜亭さんは洋食屋さんなので、フレンチと和食の風味がえ〜感じにマッチしてる。ランチなら17ユーロから、と内容を考えたらお手頃!
この日は偶々キッチンの人手不足で給仕に時間がかかったんだけど、食後にシェフご本人がわざわざ謝りに来て下さってお茶をサービスしてくれた。その爽やかさにプチ・イライラなんか吹っ飛んだ!
「東亜亭(asia-tee)あじあてい」
47, rue de la Montagne Sainte-Geneviève
75005 Paris
要予約(01.43.26.39.90)
Little Womenは子供の頃エリザベス・テーラーが主演のを観ました〜。
そういえば姉妹が窓から雪を見るシーンが記憶に残ってます。
私はクリスマスといったら「素晴らしき哉人生It's a Wonderful Life」(1946年米フランク・キャプラ)ですがな!
キャプラ作品はやたらお人好しで好きじゃない…という方もいるのですが、この作品ではキャプラは絶望的状況を描けるからこそ、底抜けの天国が描ける…というのがよーわかりますー。
この作品を下敷きにしたニコラス・ケージ主演の「Family Man」という地味な作品も好きなんどす。NY近郊の冬そのものが手に取る様に描かれとります。(…って行ったこともないのにね。へへっ!)
で、もうすぐ、日本に行かれるのですよね!何か楽しみにされていることは、ありますか?
YKさんが産まれるずっとまえの作品ですゆえ〜
「素晴らしき哉人生It's a Wonderful Life」の方は、お人好しで自分より人の幸せを優先させる主人公がいなかったら、世界はこんな冷たく無慈悲なものになってる。。。というのを天使がバーチャルで見せるんですが、
「Family Man」の方は逆に恋人より出世を選んだ大企業社長の主人公に、もし平凡な家庭を選んでたらこんなに幸せだったんだよ、と天使がバーチャルで見せるのどす。
そこの対比の違いが時代を反映してておもしろかったどすー。
日本で楽しみにしてる事といえば、年末ロックフェスで
Perfumeも参加するのでチケット手配頼んであります〜!
やっと生で観られる!
今年も紅白に出演しはるので、こっちも楽しみ〜〜〜。
そーいやYKさんは里帰りしはらないん?