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「ハウス・バイ・ザ・リヴァー」House by the River(1950) フリッツ・ラング監督

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先週はアクション・クリスチーヌでフリッツ・ラング監督の知られざる名作「ハウス・バイ・ザ・リヴァー」House by the Riverを鑑賞。
この作品のDVDのボーナスに「エクソシスト」のw.フリードキン監督によるインタービューが納められているそうで、その中でラング監督が「人はすべて潜在的な犯罪の衝動を持っている」と語っているそう。
この作品の主人公も「偶然」「たまたま」殺人をおかしてしまう、という設定なんだが。
…しかし、しかし、この主人公、そもそもメイドに無理矢理キスしようとして拒まれ悲鳴をやめさせようともみ合っているうちに彼女を死に至らしめてしまう。。。という設定、被雇用者にセクハラをする時点で既に立派な犯罪者なんじゃ。。。
おまけに自首をすすめる弟を作り話で言い包めて死体遺棄を手伝わせるわ、その弟に罪をなすりつけようとするわ、健気な妻まで殺そうとするわ、やっぱフツーじゃねーよ、こいつ。

いつものようにドイツ表現派なドラマチックな光と影が見事!
特に夜の河に遺体の金髪が広がるところは美しくも恐ろしい。。。
俳優さんも人間の屑を見事に演じている。(ポスターの写真怖いっすね)
冒頭のバスタブの湯が円を描いて配水管に流れて行くところ、ラストの引かれたカーテンの輪が飛びところ…とか、ひょうっとしてヒッチコックにヒントを与えた??

明日、日本行きの飛行機に乗って年始年末バカンスに出発!
今回は短くて2週間ちょっとで戻って来ます。

皆様もよいクリスマスと新年を!
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by j-suguita | 2009-12-25 05:31 | 映画 | Comments(0)

「ハーヴェイ・ミルク」、「ボディ・スナッチャー」(米1956 ドン・シーゲル) と東亜亭のランチ

a0060003_763687.jpg上映を見逃した「ハーヴェイ・ ミルク」をDVDで鑑賞。イヤ〜期待通りにえがった〜。まず、普段内向的な作風のガス・ヴァン・サントが社会的テーマに挑んだのにカンドー。本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞したショーン・ペンが普段の男っぽい不良とはかけ離れたキャラになりきってるのにもカンドー。
ハーヴェイ・ ミルクという人は、自分のため、仲間のため、マイノリティー全体のため、ひいては人類の寛容性と真の解放のために戦ったんですねー。彼の暗殺直後の通夜の行進にはマイノリティーだけでなく「マジョリティー」とされている人々も多く集まったのもナットク。
ヴァン・サントらしい映像の遊びも散りばめられていて”社会もの”という分野に新風を吹き込んだのではないかな。オフィスのPCの壁紙は本作のものにし、些細な事でイライラする時は「ハーヴェィは自分のためだけじゃなく、人類の真の解放のために戦ったんだぜい!」と自分に言い聞かせてたりする。

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その前には、「ダーティー・ハリー」「突破口」で知られるドン・シーゲルの初期作品「ボディ・スナッチャー」を鑑賞。
1956制作だけど、特殊効果は殆ど無しなのでこの時代のSFにありがちな滑稽なところは一切ナシ、見事な照明とシナリオで最初はジワジワ、後半はガッツリと、日常の中の恐怖がリアルに迫って来たぁ〜。
あらすじは未知の生物体が(異星人なんだろうけど言明はされてない)人々の体と心を記憶ごと睡眠中に乗っ取っていくというもの。何しろ顔かたちと記憶はそのままなので、ごく身近な人しかその変化に気づかず、かえって異常を訴える人の方がノイローゼ扱いされてしまい、そうこうしているうちに小さな地方都市市民全員が異物化していく…というもの。彼らは『感情が無い』というスゴい強み(!)を持っているので黙々と使命を遂行していく。
最期に残ったもともな人間である精神科医とその恋人は異生物達の追っ手から必死で逃れるが。。。(続きは本編で)というもの。
この作品、共産主義を象徴している、というケチな解釈があるらしいが、いかにも冷戦時代の発想だね。。ドンはそんな小っさい人間じゃないぜ!それを言ったらハリウッドのレッド・パージだって同じくらい怖いぜ!
これは全体主義そのものとか、人間間のディスコミュニーケーションという事ではなかろうか。
本作はまがりなりにもラストに救いがあるのだけど、70年代に名優ドナルド・サザーランド主演で再映画化された際はアンハッピーエンドらしいですね。あまりにも暗いよ。。。

本作はアクション・エコールで上映されてたので、鑑賞前の腹ごしらえはパンテオン近くの『東亜亭』で。
パリの和食レストランは殆ど行かないけど、東亜亭さんは洋食屋さんなので、フレンチと和食の風味がえ〜感じにマッチしてる。ランチなら17ユーロから、と内容を考えたらお手頃!
この日は偶々キッチンの人手不足で給仕に時間がかかったんだけど、食後にシェフご本人がわざわざ謝りに来て下さってお茶をサービスしてくれた。その爽やかさにプチ・イライラなんか吹っ飛んだ!

a0060003_732187.jpg「東亜亭(asia-tee)あじあてい」
47, rue de la Montagne Sainte-Geneviève
75005 Paris
要予約(01.43.26.39.90)
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by j-suguita | 2009-12-14 07:32 | 映画 | Comments(4)