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カテゴリ:映画( 32 )

最近見た映画 2016 - 秋冬

イタリア映画「ミラノの奇蹟 Miracolo a Milano」(伊 1951) ビットリオ・デ・シ-カ監督
カンヌで大賞を取った名作…とは聞いていが、人々が箒に乗って空に舞い上がる…というシーンの抜粋を見て「つまんないお人よし映画…」という印象で鑑賞する気にならなかった。
が、たまたま週末することもないし、映画クーポンが余ってるし、で何となく見に行ったら….これが大変な名作!!

お人好しなおとぎ話..と言えばそうだけど、しかし、その中に人間のセコさ、醜さがキッチリ描かれている。それもウエメで糾弾するのではなく、自分もちょっとドキっとするような、わが身を振りかえらざるを得ないようなヒトの弱さがユーモアたっぷりで描かれている。

ロロッタ婆さんのキャベツ畑で生まれたトト、その後ロロッタ婆さんから基本の教養を教わりながら成長するが、婆さんが亡くなり6歳で孤児に。その後孤児院に入るも、18歳で外に出される。街を歩いては見知らぬ人に「ボンジョルノ(こんにちわだけど直訳すると、良い日)!」と声をかけ胡散臭がられる。

その夜自分のカバンを盗んだ乞食と友達になり、彼のテントに泊まる。翌日、大嵐でテント村のすべては壊滅状態。そこでトトが音頭を取り廃材を集めて、集落を作る。貧民街とはいえ立派な仕上がりで、その他の家のない人たちも住まわせるほどの出来となる。中心人物となったトトは、ここでも人々に「ボンジョルノ!」と声をかけ、自分がロロッタ婆さんにしてもらったように、子供達に 読み書き、暗算を教える。いつも暗くネガティブな青年が鉄道自殺しようとするのを救出、「人生は美しい!La vita é bella ! ラ~ララッラ~。ほら君も歌って!」「…ラララ…」「その調子!」。思いを寄せる娘にも出会う。

が…完成と同時にこの土地から石油が出る。(おとぎ話なのでつっこみ無用) 土地の所有者である資本家モッビは、さっそく土地の没収を画策する。そこに天国から、ロロッタ婆さんが願いをかなえる白い鳩をつれてやってきた。貧民街の仲間たちは、当初は「パンを…ミシンを…」とささやかな願いを叶えてもらうが、だんだん欲望がエスカレートし「毛皮を!大金を!」と押しかける。その鳩を使ってトトはなんとかモッピの私営警察と対峙するが、奇蹟の鳩は追ってきた天使たちに取り上げられる。

(以下ネタバレなので注意)

監獄馬車に詰め込まれるトトと恋人と仲間たち。が、ここでまたロロッタ婆さんが鳩を連れてやってきて、清掃員の箒が魔法の箒に化ける。
その箒でトトと仲間たちは「ボンジョルノ」が言葉通り「良い日!素敵な日!」を意味する国に飛んで行く。

…と、ここまで聞いたら「え" ただの古いお人よし映画じゃね??」という印象だろうが、貧民集落の人々の人間臭さ、ハンパない。トトが入居者希望者の登録の為に列を作らせると、ほんの少し他人より身なりが良く、召使(トトが心を寄せる娘)を連れているだけで「私はあいつらとは違う!」と高飛車な元貴族、2階を作り足して皆より高いところにいる自分が優れている…と勘違いする男、トトが白い鳩を手にすると「食べ物を!ミシンを!毛皮のコートを!金を!」「あいつが10000リラなら俺には20000リラを!!」と欲望に止めどもないニンゲンたち。その浅ましさがリアルさであった。

リアルといえば…ビットリオ・デ・シ-カは「自転車泥棒」で世界に名を馳せたネオレアリズモの旗手。その彼が多重撮影を駆使したファンタジー映画を撮ったところが興味深い。

鳩に願い事をするシーン、惹かれあう黒人男と白人女は、それぞれ相手と同じ色の肌の色を頼んで、 黒人女と白人男に…と 0ヘンリの賢者の贈り物と同じ結果になってしまう。。トト、気を利かせて「あ、さっき女の子を黒人にしたから、君はそのままで良いよ!」と言えばよいのに、まー天使なトトに下世話な機転は望めないが。しかし1951年に違う人種同士の恋を描いた先見性は驚き。



その後デシーカ監督は、ネオリアリズムの枠にとどまらず50年代にハリウッドで「終着駅」、戦火を逃れ疎開するが悲惨な運命に見舞われる母と娘を描いた「ふたりの女 」、60年代にヒューマン・コメディー「昨日・今日・明日」、70年代大ヒットした「ひまわり」などの佳作を撮る。特に71年には「悲しみの青春 」 (1971)でアカデミー外国映画賞を受賞。充実した映画作家活動の後に74年に永眠。多くの作品が戦争の悲劇を主題にしている。

こっちのフランス語の予告編は、完全にネタを割ってしまっているのだが、まー当時はこんなもんだったんだろ ^^;



「ドライヤ-のヴァンパイア Vampyr」(デンマーク 1932)カール・テオドア・ドライヤー監督

一般的には「吸血鬼」なんだけど、今の感覚だと「ヴァンパイア」の方がしっくり来る。ヴァンパイアはおばちゃんで、いわゆるオールバックに黒マントの牙の男が娘の首に..というシーンは一切出てこないので。
若いころ観て魅了され、数十年振りに再鑑賞。やはり素晴らしい。。幻想的な話なのに、妙な現実感があるのが逆に神秘的。吸血鬼の物語だが昼のシーンが多く、もしや、夜のシーンの昼間撮影の技術がまだ未熟だっただけかも…だが、どちらにしても、それが素晴らしい。

やはり白眉はヴァンパイアの呪いの下にある娘を助けようと献血し、朦朧とした青年が見る白昼夢。棺を覗くと息絶えた自分自身がいる。走る馬車に乗せられた棺の窓から見える雲や木々、街並みの幽玄さ。影を追っていくと、影の持ち主の実物にたどり着く幻想。

a0060003_07150495.pngラスト近く、ヴァンパイアが杭を打ち込まれると、呪いにかけられ高熱にあえいでいた娘がスクっと起き上がり「私の魂は自由…」と宣言する。
これは、形は違えど何らかの「 ヴァンパイア」に侵された人が、その呪いに杭を打つことで魂が解放される…という隠喩を感じた。



「俺はダニエル・ブレイク I, Daniel Blake」(英 2015)
ケンローチの新作!「ミラノの奇蹟」同様、カンヌで大賞(本作はパルムドール。51年当時はグランプリとパルムドールに分かれていなかった)を受賞。

58歳の大工、ダニエル・ブレイクは心臓病の発作で倒れ主治医からはドクターストップがかかる。が複雑に絡み合った社会保障システムの壁で疾病手当を受けることが出来ない。社会保障事務所は「では失業手当を申請してください」というが、それには就職活動が義務。働けないのに…カフカ並みのパラドックサルな世界。

すべての申請は、彼が大の苦手のコンピュ-タ-でしなければならない。そうこうしているうちに、2人の子供をかかえたシングルマザ-と出会い、彼女の苦労を聞くうちに同様な社会保障システムの歪みを知る。彼女の子育てや住居を助けるうちに友情がはぐくまれる。

彼はついに持ち金が尽き、すべてを売り払い、何もない部屋で毛布にくるまれて生活するようになり、シングルマザ-も売春にまで追い込まれる。そして、いつもの社会保障事務所での面談にウンザリしたダニエルは、事務所から出ると、事務所の建物の壁にスプレーペンキで「俺はダニエル・ブレイク58歳。俺に疾病手当申請のためのアポイントを取らせろ。そして、電話窓口のお待たせ中のファッキンな音楽を変えろ」と書き座り込む。待ちゆく人たちの拍手喝采!!

もちろん、警察に行くことになるが。そして….こんな悲惨な状況もケンちゃんはユ-モアを上手くちりばめて描く。


秋冬に観て印象深かった作品はこの辺りか。8月に亡くなったジーン・ワイルダー主演の『大陸横断超特急』もかなり楽しかったが、寝不足の翌日に行ったので1/3寝てしまった ^^;
機会があったら体調を整えて再観したい。



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by j-suguita | 2016-12-25 02:23 | 映画 | Comments(0)

ザ・フー Making Quadrophina 「さらば青春の光」制作ドキュメンタリー(ネタバレあり)

Youtube でザ・フーの'73のアルバムQuadropheniaを下地にした映画「さらば青春の光」(英 '79)の制作ドキュメンタリー「A Way Of Life: Making Quadrophenia」を発見!(1/4 〜4/4の4部に分かれている)



この作品、80年代に名画座で見て、異常なまでにハマってしまい、5回くらい観たかなぁ(Tsutayaも無い時代)そういや最初に買ったザ・フー(関連)のアルバムってQuadrophinaのサントラだった。いやっと言うほど聴いたっけ…(遠い目)
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制作ドキュメンタリーに話を戻すと、リスニング苦手なのでyoutubeの自動生成のアヤシい字幕を手掛かりに1/4くらい理解できたかな?という感じ。でも、それだけでもかなり面白かった。
このドキュメンタリーにザ・フーのメンバーは出てこないが、撮影時のスティール写真で姿を見る事が出来る。30過ぎてすでに大御所だった彼らが若い俳優たちに囲まれて楽しそう。ジミー役のフィルを優しく見守るピートの眼差しが暖かい。

そしてジミーに片思いするちょっと太めのモンキーを演じ、歌手でもあるトーヤ・ウィルコックスさんが素敵なベテラン女優さんに成長してる。クリムゾンのロバート・フリップと1986年に結婚しているんだ!本当に映画制作が好きで、良い作品にしたかった(実際なった)…というプロフェッショナルな情熱が伝わって来る。

忘れがたいハマリ役、彷徨うジミーを演じたフィル・ダニエルも今やベテランの俳優。
フィル・ダニエル「僕たちはまさに映画を生きた」

当初、ザ・フーがアルバムを出すという条件でレコード会社が資金を提供する事になっていた。
だがドラムのキース・ムーンの突然の死で新アルバムはキャンセルに。フランク・ロッダム監督はこの企画はボツか…と諦めた。が、プロデューサーのロイ・ベアードと、ザ・フーのマネージャーでやはり共同プロデューサーのビル・カービシュレイが粘り強く努力してくれて、制作に至った。

フランク・ロッダム監督はTVドキュメンタリー出身で、フィクションはこの作品が初めてだった。
現実感のある空気は彼のキャリアから生まれたんだろう。

そもそもは孤独なモッズの少年がブライトンの崖から投身自殺する…という哀しい事件から構想された。
パンクロッカーを主役に起用する事で、過去と現在の橋渡しが出来るのでは…という事で、ジミーは当初セックス・ピストルズのジョニー・ロットンが演じる予定だった!スクリーン・テスト(残念ながら現存しない)は素晴らしい出来でセリフもきっちり覚えてきていた。しかし保険会社がジョニーの素行に不安を抱き、彼の登用を拒否。採用を覆さなければならなかった。そこでフィル・ダニエルがキャスティングされる。
(ロットン(現ライドン)は自伝では別の事を言ってるが…)

トーヤ
 ロッダム監督はオープンで、私たちの意見にもちゃんと耳を傾けてくれてとてもフレンドリーな空気だった。
 衣装さんは私が60年風の体型だったので、喜んでたわ。私はちょっと太り気味だったけど、当時の女性は体格が良くて、痩せた女の子は馬鹿にされた。(その後の)ツイッギーの登場が社会現象だったのはその為よ。
 ロジャー・ダルトリーが『モンキーのスタイリング、良いね!あの頃の俺の妹にそっくりだ』と言ってくれたと後で知って、とても嬉しかった。
 山場のブライトンでのモッズとロッカーの乱闘シーンでは、私たちはただカメラが回っている…としか教えられなくて「闘え!」という指示しか受けなかった。警官の制服の人がいたので「あなた本当の警官?え、エキストラ?じゃ殴って良いわね?」こんな感じだった。
 大乱闘のシーンはこの作品にとってとても重要なのはわかっていたから、どんなに疲れても、どんなにお腹が減っても、本当に頑張った。」

フランク・ロッダム監督「乱闘シーンでは、窓を粉々にされる占い師役の中年女性に『赤い皮のコートの俳優が窓を砕くから、良く見て間際に逃げて』と言ってあったが、彼女は勘違いして別の赤い皮のコートのエキストラを見ていた。でも、幸い間際に気がついて、窓に板を投げ込む直前に逃げてくれた。おかげで撮影中の死亡者はゼロだった」

上映劇場で
観客「20年後も人々を魅了するだろう」
トーヤ「この作品を見た人は男子も女子も、ジミーに自己投影したと思う。誰もが通る過程だから」

以下ネタバレ注意 ―――――――――――――

様々な解釈のあるラストシーンは
フィル・ダニエル&トーヤ「ジミーは自殺していない!(キッパリ)」
ロバート・サンダル(ジャーナリスト)「最後にバイクから飛び降りたんだ(Chiken out)でも彼は仕事もガールフレンドも失いどうやって生きていくんだろう?とてもアンビバレントな結末だ」
フィル・デイビス(チョーキー役)「彼は現実の世界に戻ったんだ」
マーク・ウィンジェット(デイブ役)「冒頭の、夕日を背に歩いくシーンを観ればわかる!(アツく語る)」
トーヤ「自殺を思わせる強いイメージがこの作品にパワフルにしている」

ジミーは自殺していない説は36年前からあったけど、こう関係者皆んながキッパリ言ってくれて嬉しかったが。
ここまで心を壊されたジミー、しばらくは抜け殻の様に生きるんだろう…彼の中で何かが死んだのは確かなんだろう…とフィクション映画ながら辛くなった。でも、これこそが10代の荒野 TeenAge WasteLand …なんだろうなぁ。

若い頃は「ヒドい邦題…」と思ったが、今にしてみると中々内容に合ってる。
でも、ネタを割っちゃってるって点でアウトだな、やっぱり。

しかし…今、名画座ってどんどん無くなってるらしいけど…
今の若いモンはDVDやTutayaがあって良いな~と思う反面、名画座の大画面で爆音で鑑賞する機会が減って、映画を味わうって点ではどうなんだろう…などと老婆心持ったりする。

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こっちがQuadrophinaのオリジナル版、素晴らしくも濃く、ヘヴィーなアルバム。
サントラの方は当時のヒット曲(悲しき雨音、ルイルイ等)も入っていて、新たに追加された曲も(Four Facesなど)軽快で強弱があるけど、オリジナルの方は最初からズッしりと畳み掛けて来て、名曲揃いですんごい高密度!全編、異様にテンション高いので、聴くのは時間と体力に余裕のある時…にしてる。
このプロジェクトは1から10までピートが仕切ったので、リハーサル中にロジャーと大喧嘩になったそうだが、ピートは「Quadrophinaはザ・フーの最高作品。多少の流血は大した事ではない」だそうだ。

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by j-suguita | 2015-12-07 06:10 | 映画 | Comments(2)

「Wrong Cops」2013 クエンティン・デュピュー監督

「Wrong Cops」2013仏・露・米 クエンティン・デュピュー監督(Mr.Oizo)
(2014年3月に観た映画)

先の社会派作品「地獄の英雄」とは大違い…イヤ、ジャーナリストや警官など、本来は正義の職業の人がメチャクチャやらかす…って点じゃ同じか。でもダグラス記者はラスト改心するが、「Wrong Cops」の方は性格か頭が(又は両方)悪いキャラしか登場しない。

強烈なブラックユーモアとカオス満たされたサイコーに可笑しい作品。マリリン・マンソンがノーメイクで気弱なヤツを演じてるのに脱帽!日本では未公開みたいだけどDVDが出てるので、残酷(といっても笑っちゃうんだが…)なシーンがOKな人なら多いに楽しめると思う。

ラスト、「ツイン・ピークス」(ローラの父親役)「ロボコップ」のレイ・ワイズが滅茶苦茶な上司で登場。

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by j-suguita | 2014-05-30 07:23 | 映画 | Comments(0)

「地獄の英雄 Ace in the Hole, Big Carnival」('51) 米

ビリー・ワイルダー監督、カークダグラス主演
( 2014年3月に観た映画 )

ゆがんだ扇情ジャーナリズムを糾弾した作品。当時このような作品が作られていたとは!
興行収入が思わしくなかったそうだが、まだ人々の意識がここまでいっていなかったのだろう。
それで「Ace in the Hole 洞穴のエース」というストーリーそのままのタイトルから「Big Carnival 大祝祭」というタイトルに変更されたそうだ。


優秀でありながら、アル中のせいで有名新聞社を渡り歩いては首になっていた記者ダグラスは、地方の小新聞社に職を得、それなりに落ち着いて暮らしていたが…。しかし一年後、地方の洞穴の奥に地元の男が落盤で閉じ込められる事故に遭遇する。彼は小さな酒場を妻、両親といとなむ小市民であったが、妻との関係は冷えきっていた。贅沢好きな妻を喜ばせ夫婦仲を修復する収入を得ようとインディアンの遺跡の盗掘を計だて、遭難したのであった。地元の土木業者が懸命に早急な救出策を模索していた。

これはドラマチックなビッグスクープ!ダグラス記者と、救世主を演じたいシェリフが土木業者にどのくらいの時間がかかるか問いつめると「もちろんベストは尽くしますが…2日はかかります」と。冗談じゃない!2日じゃドラマにならない。さまざまな方法で業者を脅迫し、山の頂上から穴を掘る…というドラマチックな方法をとらせる。これなら一週間はかせげる。

それからは空しい大騒ぎが始まる。
大勢の野次馬、屋台、観覧車、励ましを歌うカントリー歌手(ついでに楽譜を売る)記者クラブetc…。心から心配する善良な老いた両親と、この喧噪がおわったらダグラスと都会に出たい妻の酒場は大繁盛。ダクラスはスクープを条件に、かつてのメジャー新聞社へのカムバックも決まる。しかし…
思いも寄らぬ悲惨な成り行きに良心を取り戻すダグラスと、「ダイヤルMを回せ」を彷彿させるラスト近くの展開(こちらが先)が、キリスト教的「罰」を思わせる。

カークは余裕とユーモアがあるかと思うと「スパルタカス」「探偵物語」「悪人と美女」など何かに取り憑かれた男、狂気をはらんだヤツを演らせても天下一品。

以下 ネタばれ ⇩




男の急激な肉体的衰弱を知り、スクープをあきらめ、土木業者に当初のスピード採掘方に切り替えるよう命令するダグラスだが「あなたの無理な指示で岩盤がすっかり脆くなっている。もはや今の方法で続けるしかありません」と。
ダグラスの私利私欲の為に自分の救出が大幅に遅れているのも知らず、ダグラスを信頼する男は死を予感し、神父の元で死ぬ事を懇願する。ダグラスが洞穴の奥まで誘った神父に「ありがとうございます。覚悟は出来ています」というところ、泣かせたなぁ。見事な演技であった。


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by j-suguita | 2014-05-30 07:10 | 映画 | Comments(0)

2月に見た映画

「兵隊やくざ」
日本文化会館で「大映の名作特集」。プログラムを見たらなんと勝新主演、増村保造監督の名作「兵隊やくざ」が!

改めて見た「兵隊やくざ」はユーモラスなトーンの中に軍の体罰の理不尽さを通し見事に戦争の無意味さ、描かれていた。ワテが子供のころはTVでも映画でも、厭戦争な作品がたくさんあった。この作品でブルーリボン助演男優賞を取った田村高広はもちろん、憲兵役の成田三樹夫が鋭い眼光ですでに際立った存在感。そして、先日亡くなった淡路恵子さんの酸いも甘いも噛み分けた諦観の慰安婦が素晴らしかった。ヌードはもちろん吹き替えだろうが、状況的にはかなりキワドいのにクールなユーモアを持っての名演であった。



「風立ちぬ」
宮崎駿作品はあんまり体質に合わないので(といっても「となりのトトロ」しか観てなかったが)行く予定は無かったんだけど、やはりご近所のTさん家から招待券をいただいたので行って来た。

好きか嫌いかと言えば「もう少し戦争の悲惨な面を描いても良かったんじゃ」とか「主人公達が西洋人みたいな顔をしていていじめっ子達がフツーの日本人の顔なのはいただけない」「ちょっと甘過ぎ」などとは思ったが…

そういう事を抜きにして、ラスト、衝撃で立てなかった。
イヤ、立てない映画ってたけしの「HANABI」以来二度目。


その他は毎月第2木曜にステュディオ・ユルスリーヌで催される短編映画上映会「Format court」に。
この日はいつも以上に粒ぞろいの作品群だった。


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by j-suguita | 2014-03-13 06:41 | 映画 | Comments(2)

パゾリーニ特集 - 消費文明こそ真のファシズム Pier Paolo Pasolini



この秋、シネマテークでピエル・パオロ・パゾリーニの作品の上映と、書簡などの展覧会が催された。
パゾリーニと言えば唯一、4半世紀前に観たのが「奇跡の丘」。
エグい作家…という評判とはまったく裏腹に、崇高で気高く、それでいて使徒達、マリア、ヨゼフ、サロメたちは普通の人間として生き生きと描かれていてとても感動した。

まず展覧会の方に行ってみた。
暴力的な軍人の父を憎み、芸術を愛する感性豊かな母を憧憬して育った彼は、弟をパルチザンの内ゲバで亡くす、という悲劇を経験する。25歳で共産党に入党するも未成年者を誘惑した容疑で教職を失い、27歳で母親とローマの貧民街に移る。故郷のフリウリの方言の他カタロニア語などの希少言語に興味を持ち、方言詩集を編集するほど言語に長けていた彼は、貧困の中にも小説を執筆し作家として名声を得る。そして映画関係者とも交流を持つようになり、シナリオライターとして頭角を現しやがて監督としてメガホンを撮るようになる。話題作、問題作を世に出し、そして謎に満ちた暗殺による死…。

沢山の書簡、いたずら書きのような簡潔なストーリーボード、彼の絵画作品、いくつものモニターで流される作品の抜粋…で、ほとんど知らなかったパゾリーニという人物像が少し見えて来た。

そして上映期間に「豚小屋」「アポロンの地獄」「王女メディア」そしてデビュー作の「アッカトーネ」を観る。

「豚小屋」 Porcile (1969)
二つの物語が平行して語られる。中世(?)に飢えから人肉食を始め、やがてそれが快楽に変わっていく青年の話はほとんど台詞がなく視覚で伝えるスタイルで、無声映画のようでそれなり面白かったけど、ジャン・ピエール・レオ出演の現代ドイツの話は台詞が観念的でさっぱりわからなかった。「善の曖昧さ」…とかって言われても、困るんだけど(笑)

「アポロンの地獄」 Edipo re (1967)

古典の(オイディプス王)ダイナミックな解釈。衣装はクリエイター風、日本の雅楽を取り入れる、撮影地はモロッコ…と大胆な手法で撮った力強い佳作。登場人物達が生々しい(ゴッドファーザーにも出演したフランコ・チッティ主演)。息子と知らず姦淫する母親役のシルバーナ・マンガーノは「にがい米」のグラマラス美女からシックな貴婦人に成長。崇高さと生臭さが同居する斬新で骨太な作品。父と知らず王を殺すときの目の眩むような太陽が圧巻。ラストで自ら目をえぐり両眼から血を流すオイディプスの姿はやはり壮絶。父との確執のあった彼の伝記的作品らしい。

「王女メディア」 Medea (1969)
オペラ音痴なのでマリア・カラスさんがどんなに素晴らしい歌手かは全く知らないのだが、素晴らしい女優である事はよくわかった。この表現力で希有な喉をも持っていたら稀代の歌手になるであろう。作品そのものはパゾリーニがメロドラマ性を排除して撮っているため、メディアに自己投入出来なかった。冒頭のメディアの夫イアソンの育ての父のケンタウルスはすんごいチャーミングだった。

「アッカトーネ」 Accattone (1961)


デビュー作。
徹底的なダメダメ男が主人公。売春させて上前をはねるのだけど、骨折した娼婦に「休んでないで働いてこい!社会保障は無いんだぞ。もう一本の足もへし折られたいのか!」と脅す人間の屑。資金稼ぎの為分かれた妻が引き取った息子の首から金のネックレスを盗むとか、考えられんセコさ。稼ぎ手の娼婦がヤクザを密告し、夜の空き地でボコボコにされ(ここがすごくリアル!)彼女が別の若者達を犯人と偽証したため刑務所行きに。…で困った彼は田舎出の純真な少女を見つけ売春させようとするが、彼女に恋をしてしまい、真面目に働く事を決心する。
…普通ならここでハッピーエンドなんだけど、パゾリーニなのでもちろん違う。キツい労働は一日しか続かずまたヤクザな世界に戻って行く。そして…。
生々しいローマの貧民街、遅れて来たネオリアリスモという人もいるようだけど、むしろヌーベルバーグのような清新さ。(そういや「豚小屋」にはヌーベルバーグの常連、ジャン・ピエール・レオ、アンヌ・ビゼアムスキーが出演)難解さはないけど主人公の幻想的な夢のシーンにその後の片鱗があらわれている。

その後TVで「テオレマ」 Teorema (1968)を観る。これもムズい!しかし若き日のテレンス・スタンプが超悪っぽいイケメンでそれだけで幸であった ww
全体的にテンション高いパゾリーニの作品だが「豚小屋」「テオレマ」は奇妙な脱力味があった。(その後の『カンタベリー物語』などの生の三部作も脱力系ぽいけど、未見なので今後観る予定)
彼は数年単位でスタイルを変えるタイプの作家だったようだ。(オーソドックス -> 古典新解釈 -> 形而上脱力系 -> エロス系)

理解範囲を上回る作品が多かったのでググりまくったが、作品のパターンとして
→ 社会と戦い破れて行く(奇跡の丘、アッカトーネ)
→ 消費社会以前の古代儀式への讃歌(奇跡の丘、アポロンの地獄、王女メディア、テオレマ、豚小屋)
→ 欲望に溺れ自滅する(豚小屋、テオレマ)
というのがあるらしい。

パゾリーニは「消費社会」を憎悪していたそうで「消費文明こそ真のファシズムだ」と言明していたらしい。
ちょっと以前だったら「過激」「考え過ぎ」「悲観的」と思っただろうけど311以降に気づいてしまったこの世界のしくみを思うと、あながち間違ってないかも…
上記「社会と戦い破れて行く人」に彼があてはまってしまったのが皮肉だ。でも、キリストが復活したように、彼が糾弾した消費社会が見直される日が来る事を祈ってやまない。

追記
・パゾリーニの恋人でお気に入りの俳優だったニネット・ダヴォリ(いつも使徒の役を演じる)今では白髪のおじいちゃんだけど、youtubeで見つけたインタビューがあまりにもチャーミングでイタリア語わからんのに17分全部観てしまった。

・前述のように「豚小屋」は妙な脱力感のある作品。当時のポスターを見たら「俺は父親を殺し、人肉を貪り、喜びに震えた」の台詞とオドロオドロしく処理されたスチール写真なんだけど、あまり作品の雰囲気伝えてないと思った。

・衝撃の遺作「サロまたはソドムの市」 Salò o le 120 giornate di Sodoma (1975):作品としては(俳優の演技、美術、3部構成)は良く出来てるけど、覚悟して観たものの、やっぱりショックだった。これも搾取するファシストと搾取される民衆の隠喩…らしい…。

・「奇跡の丘」 Il Vangelo secondo Matteo (1964)ともかく人間の顔が素晴らしい。

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by j-suguita | 2013-12-12 04:56 | 映画

1月から3月にかけて観た映画

「暗い鏡」 The Dark Mirror ('46) Action Christine

オリヴィア・デ・ハヴィランドが一人二役で、全く性格の違う双子の姉妹を演じるフィルム・ノワール。オリヴィア姉がオリヴィア妹の肩を抱きしめてるシーンなど当時としては先端の技術を使って製作したらしい。映画少女だった高校時代に、知人から50年代のPhotoPlay誌をいただいたんだけど、その中で本作が紹介されていた。なので映画館で鑑賞出来て感慨無量。犯人に意外性がないのと、双子の中に善悪が潜む…という設定ではなく、片方->善、片方->悪 という勧善懲悪なのが残念だったが、当時の娯楽映画としては仕方なかったんだろう。粉々になった鏡の中に倒れる他殺死体…の犯人の容疑が二人にかかり、心理分析の連想テストを別々に受ける事になる。片方が「鏡 -> 死」と答えてしまい、殺人事件との関連を匂わせてしまう。更にもう片方が「死 -> 鏡」と答えるシーンはドキっとした。
刑事役はフォード一家の大ベテラン、トーマス・ミッチェル。


「ジャンゴ」Django
申し分なく楽しめた〜。 ジェイミー・フォックスが松田優作みたいでかっこよかった。アカデミー賞助演男優賞とったクリストフ・ヴァルツは良い味出して言うことなし。デカプリオって、そんなに良いかなぁ?南部の無教養な人でなし大農園主のわりに知性が隠しきれてない気がした。それにしても人類が人類を奴隷として虫けらのように扱ってたのは、たった150年前のことなんだね。それを思えばニンゲン社会も少しは成長してるんだなぁ。


「極楽特急」('32)Trouble in Paradise Action Christine
ルビッチ監督は大好きだけどまさに最高級の逸品。一般に彼のベストとされる「ニノチカ」「生きるべきか死ぬべきか」も素晴らしいけど、個人的にはこれが一番。ベニスで知り合った女泥棒と詐欺士(ハーバート・マーシャル)がパリの裕福な未亡人から大金をせしめようとするが…。優雅でソフィスティケート、微妙で、繊細。ちょっぴり切なく。エッチシーンなんか無いのに充分エロティック。


余談1 : いつものようにPerfumeをネットでチェキしてたら、やたら美しく、やたら陰気なお兄さんがファン代表で出てたのでググってみたら、栗原類という今話題のメンズ・モデルだった。なんだか独りが好きだそうで、私もそうだし妙に安心してしまった。最近はウザいまでに明るいのが良しとされ、そうじゃない人はダメみたいな傾向があるけど、あのくらい美しい人が堂々と暗くしてると、妙に励まされた気分になるぜ。初めて有料のアプリ「栗原類のネガティブ着信音」をDL、いまいちハイじゃない朝は類君の声を聞いて、あえて更にテンション下げてます。
(よっしゃ頑張るって時はPerfume の「Dream Fighter」。またはThe Who の「You Better You Bet 」)

余談2 : 4月頭から今度は南イタリアに旅行に行ってきます。帰ったらまた怒濤の報告するかも?

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by j-suguita | 2013-03-31 18:33 | 映画 | Comments(0)

謹賀新年2013、と2012年12月の想ひ出

謹賀新年2013
a0060003_1619527.jpg今年のなんちゃって御節です。


**2012年12月の想ひ出**
初旬には、初めて大使館で投票。イヤ、21世紀に入ってから在外邦人も投票出来る様になったんだけど、登録が必要で、面倒でやっていなかった。…が、今回は日本を大きく変えるチャンス!だったので、解散が噂されていた4月頃に申請、数ヶ月後に無事選挙人票が。大変残念な結果になったけど、今後も、日本が健全な道を歩んで行くのを願って行くしかないです。

a0060003_16295158.jpg昨年から始まった「冬至の日」フェスティバルの「一番短い日の短編特集: Le jour le plus court」の短編映画上映が市内のあちこちで催されていた。私達は、家から歩いていける「シテユニヴェルシテ」の上映会に。普段は入れない学生寮の中の会場だったので、それだけで新鮮!
7作品それぞれ違う個性でハイレベル、とても楽しかった。特に実写とアニメを混ぜたTurning、宇宙飛行士の物語Yuri Lennon's Landing on Alpha 46、精神病院のズレた移民のコンビAsylumが良かった。その後の久々の夜のお散歩も楽しかった〜


a0060003_16193256.jpgパリ周囲を巡るトラム、ポルトドラシャペルまで延びて、2/3完成

a0060003_16195273.jpgクリスマス休みに早速トラムで終点まで乗って、普段は行かない「MK2」ケドラセーヌ館で「Populaire」観る。どうってことないラブコメ作品だけど、50年代が舞台なので色も舞台美術も洋服も可愛くて、ノエルらしくて楽しかった。



2012年はついにスマホ導入、Instagramにずっぽりはまってます。
スマホをお持ちの方、タダだし、気軽にあ〜ちすと気分になれて、お勧めですよ〜。ちなみに私のIDは”jsk_27”です。
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by j-suguita | 2013-01-04 16:25 | 映画 | Comments(0)

10月の想ひ出

ミシェル・オスロの「キリクーと村の人々 Kirikou et les hommes et les femmes」を観る。
正直で機転がきいて頭の良いちっちゃなキリクーはいつも、可愛い♡
大好きな13区のMK2で観た。ここはガラス張りで広々、いつもながら気分良かった。



ドイツ映画祭で「ホテル・リュクス」観る。
ドイツ映画というと、観念的で哲学的、先鋭的…というイメージだけど、これはもう本当に愛すべき、大人も子供も楽しめるファンタジー!ナチの風刺のし過ぎで亡命するハメに(それも予定のアメリカではなくロシアに)なったボードビリアン2人の物語。重いテーマなのに、実に軽いタッチで描かれていて「イングロリアスバスタード」からドキドキ、ハラハラを残して、残酷だけ除いた感じ。ラストは人によっては甘い…というかもしれないけど、これは大人のおとぎ話なので、これで良いのだ。俳優達もいい味出してた。



アッバス・キアロスタミの新作「ライク・サムワン・イン・ラブ」観る。
日本で、日本人俳優で、日本語で撮ったもの。加瀬亮ちゃん、相変わらずナチュラルにうまいなぁ。「アイトレイジ」でもそうだったけど、何をしでかすかわからないヤツ…の不気味さと、不器用な(歪んだ)優しさが出てた。
でも「友達の家はどこ?」は大好きだけど、だんだんインテリ映画になってきて、、(汗; 
ま〜あまり考えないで雰囲気を楽しんだ。この映画の教訓は「軽い気持ちでデリヘリ界なんかに足を踏み入れちゃ絶対ダメ!」と「DVな彼氏とは付合っちゃダメ!」なんだけど。後者は、最初はわからないっていうし、難しいっすね。

(01/02追加。観た事忘れてた。。)

あ〜ちすとの誕生日は奮発して「あじあ亭」でディナー!
やはり彫刻家の素敵なお友達、Cさんにも参加していただいて、楽しいバースデーでした。
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by j-suguita | 2012-12-31 06:04 | 映画 | Comments(2)

6月の想ひ出

The Angels' Share : ケン・ローチの「天使の分け前」観る。

荒れた街のリアルな暴力や諍いが生々しく描かれているので、辛い話かと思いきや、シリアスな話しながらも、軽快なタッチで楽しく綴られた大人の童話。映画の基本的な楽しさであるドキドキ、サスペンスも入れてさすがケンちゃん。観賞後とっても良い気分に。
しかし、イギリスって階級社会だなぁ。荒廃した地域では親の代からの諍いがあるエピソードとか。
…日本も対岸の火事ではなくなってきてるようなだけど、まぁ、ここまでにはならない事を祈る。

On the road : 「路上」観る。

う〜ん、こういうエポックメーキング的な作品て、みんながそれぞれ個人的な思い入れ持ってるから、難しいよね。。。肝心のディーン・モリアティー、悪くないんだけど、私にとっては普通すぎ。やたら涙ぐんでウェットだけど原作では奇矯な基地スレスレの男だったはず。

原作者のケルアックはマーロン・ブランドに演じてもらいたかったらしい。
www.cinematoday.jp/page/N0038342
実現していたらすごい作品になってただろうなぁ。その他、スレスレ危ない俳優で知的さもある…といったらデニス・ホッパー、クルストファー・ウォーケンあたりかしらん。ジャック・ニコルソンだと、スレスレというより斧持ち出しそうでコワいし。レザボア・ドッグスでMr.ブロンドを演じたマイケル・マドセンも良かったかも。

「ザ・ランナウェイズ」でジョーン・ジェットを大好演したクリスティン・スチュワートがメリールー役だったけど、これもちょいウェット。小説ではとんでもなくぶっとんだ、スーパー・ドライ、ハート・オブ・ストーンな女で最後にちゃっかり金持ちの男と結婚する設定になってた(たしか)。
そもそもメリールーとサル(バトーレ)の関係が深すぎ。原作ではHなんて挨拶程度にしか思っていないクールさだったと思うが(たしか)。
クリスティンはジョーン・ジェットみたいにちょっとウェットはところのある役のほうが向いてるかも。脱ぎっぷりは良かった。原作通りウルトラ・クールに描くとしたら、スカーレット・ヨハンセンでも良かったかも。

ディーンに翻弄される不幸なカミーユはキルスティン・ダンスト。泣き叫んだりする役だけど、どこか可愛くてドロドロしてないところがナイス。脱ぎっぷりは悪かった。

その他、ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ夫妻がリアルなタッチで出て来るので(ウィリアム・テル事件の不吉な予兆も)ビートニク文学ファンには一見の価値ありかも。

主役のサル(バトーレ)は良かったけど、語り部なので、知的で芸術的センスのある俳優さんならそんなに難しい役ではないのかしらん??

…と個人的には☆☆☆だったけど、良かったのはディーン、サル達がジャズのリズムで汗を飛ばして踊り狂うシーン(数回ある)。原作でも、ジャズがロックに枝分かれする直前のエキサイトさが目に浮かぶ様な素晴らしい描写で書かれていたっけなぁ。。(遠い目)
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by j-suguita | 2012-10-26 03:24 | 映画 | Comments(0)