最近の・・・dernierement・・・

夭折の名女優、フランソワーズ・ドルレアック

先日、カトリーヌ・ドヌーブが姉のフランソワーズ・ドルレアック(撮影直後に亡くなった)と共演した「ロッシュフォールの恋人たち」がTV放映された。

何回観ても、お洒落でキッチュで楽しい作品。
フランス映画なのにミュージカルでケッタイな映画…と思ってたけど、こっちに来てからフランス人達にこよなく愛されている国民的映画と知った。美貌の双子の姉妹と町のお祭りの催し物を巡る、たわいない恋愛話なんだけど、夭折の女優フランソワーズ・ドルレアックの魅力にあらためて感嘆…
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お人形さん的な美貌ではドヌーブが上だけど、ドルレアックはそれを補ってあまりあるダイナミックな魅力があった。 
粋な姐さんで、女っぽいのに男前、軽快なユーモアがあるけどユーロッパ女優らしい翳りもあり、「アンビバレント」が彼女の魅力のキ-ワ-ドと思う。

彼女がわずか25歳で夭折しなければ、すばらしいキャリアを築き、フランス映画の歴史は変わっていたと思う。彼女のような魅力をもった同世代の女優…って思いつかない。ドヌーブにはない気風のよさ、ちょい悪女ぽいのはアンナ・カリーナと同じだけど、少女っぽくはなく大人の女。庶民的なアニージラルドにはないお嬢様感。ブロッカ、トリュフォー、ポランスキーなど個性派・芸術肌の監督とたくさん仕事をし、面白い作品を残している。

そのドルレアックが若干25歳で交通事故の悲劇にみまわれた。「人生、一寸先は闇」とは思うけど、運命の神はここまで残酷になれるのか。。
美しく才能豊かだったドルレアックさんに、心から合掌、R.I.P…
天国の撮影所で、お洒落な衣装をまとい演技しているのを祈る。

彼女の軽快さ、お洒落さが活かされたブロッカの「リオの男」長身でディオールのモデルもこなした。


一転してアンニュイなパリジェンヌを演じたトリュフォ-の「柔らかい肌」

「ロッシュフォールの恋人たち」はお母さん役のダニエルダリュ-(戦前派大変な美しさと演技力で、私の母世代の憧れだった)の100歳の誕生日を記念して放映された。長寿と夭折...二人の女優の二つの運命を感じた。
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付記:度胸もよく、あの時代に脱ぎっぷりが良かった。妹のドヌーブによれば
「姉はラディカルに見えたかもしれないが、人を驚かそう…などという意図はまったくなく、ただ自分の思うままに行きる人だった」


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# by j-suguita | 2017-05-11 04:26 | 映画 | Comments(6)

最近見た映画 2016 - 秋冬

イタリア映画「ミラノの奇蹟 Miracolo a Milano」(伊 1951) ビットリオ・デ・シ-カ監督
カンヌで大賞を取った名作…とは聞いていが、人々が箒に乗って空に舞い上がる…というシーンの抜粋を見て「つまんないお人よし映画…」という印象で鑑賞する気にならなかった。
が、たまたま週末することもないし、映画クーポンが余ってるし、で何となく見に行ったら….これが大変な名作!!

お人好しなおとぎ話..と言えばそうだけど、しかし、その中に人間のセコさ、醜さがキッチリ描かれている。それもウエメで糾弾するのではなく、自分もちょっとドキっとするような、わが身を振りかえらざるを得ないようなヒトの弱さがユーモアたっぷりで描かれている。

ロロッタ婆さんのキャベツ畑で生まれたトト、その後ロロッタ婆さんから基本の教養を教わりながら成長するが、婆さんが亡くなり6歳で孤児に。その後孤児院に入るも、18歳で外に出される。街を歩いては見知らぬ人に「ボンジョルノ(こんにちわだけど直訳すると、良い日)!」と声をかけ胡散臭がられる。

その夜自分のカバンを盗んだ乞食と友達になり、彼のテントに泊まる。翌日、大嵐でテント村のすべては壊滅状態。そこでトトが音頭を取り廃材を集めて、集落を作る。貧民街とはいえ立派な仕上がりで、その他の家のない人たちも住まわせるほどの出来となる。中心人物となったトトは、ここでも人々に「ボンジョルノ!」と声をかけ、自分がロロッタ婆さんにしてもらったように、子供達に 読み書き、暗算を教える。いつも暗くネガティブな青年が鉄道自殺しようとするのを救出、「人生は美しい!La vita é bella ! ラ~ララッラ~。ほら君も歌って!」「…ラララ…」「その調子!」。思いを寄せる娘にも出会う。

が…完成と同時にこの土地から石油が出る。(おとぎ話なのでつっこみ無用) 土地の所有者である資本家モッビは、さっそく土地の没収を画策する。そこに天国から、ロロッタ婆さんが願いをかなえる白い鳩をつれてやってきた。貧民街の仲間たちは、当初は「パンを…ミシンを…」とささやかな願いを叶えてもらうが、だんだん欲望がエスカレートし「毛皮を!大金を!」と押しかける。その鳩を使ってトトはなんとかモッピの私営警察と対峙するが、奇蹟の鳩は追ってきた天使たちに取り上げられる。

(以下ネタバレなので注意)

監獄馬車に詰め込まれるトトと恋人と仲間たち。が、ここでまたロロッタ婆さんが鳩を連れてやってきて、清掃員の箒が魔法の箒に化ける。
その箒でトトと仲間たちは「ボンジョルノ」が言葉通り「良い日!素敵な日!」を意味する国に飛んで行く。

…と、ここまで聞いたら「え" ただの古いお人よし映画じゃね??」という印象だろうが、貧民集落の人々の人間臭さ、ハンパない。トトが入居者希望者の登録の為に列を作らせると、ほんの少し他人より身なりが良く、召使(トトが心を寄せる娘)を連れているだけで「私はあいつらとは違う!」と高飛車な元貴族、2階を作り足して皆より高いところにいる自分が優れている…と勘違いする男、トトが白い鳩を手にすると「食べ物を!ミシンを!毛皮のコートを!金を!」「あいつが10000リラなら俺には20000リラを!!」と欲望に止めどもないニンゲンたち。その浅ましさがリアルさであった。

リアルといえば…ビットリオ・デ・シ-カは「自転車泥棒」で世界に名を馳せたネオレアリズモの旗手。その彼が多重撮影を駆使したファンタジー映画を撮ったところが興味深い。

鳩に願い事をするシーン、惹かれあう黒人男と白人女は、それぞれ相手と同じ色の肌の色を頼んで、 黒人女と白人男に…と 0ヘンリの賢者の贈り物と同じ結果になってしまう。。トト、気を利かせて「あ、さっき女の子を黒人にしたから、君はそのままで良いよ!」と言えばよいのに、まー天使なトトに下世話な機転は望めないが。しかし1951年に違う人種同士の恋を描いた先見性は驚き。



その後デシーカ監督は、ネオリアリズムの枠にとどまらず50年代にハリウッドで「終着駅」、戦火を逃れ疎開するが悲惨な運命に見舞われる母と娘を描いた「ふたりの女 」、60年代にヒューマン・コメディー「昨日・今日・明日」、70年代大ヒットした「ひまわり」などの佳作を撮る。特に71年には「悲しみの青春 」 (1971)でアカデミー外国映画賞を受賞。充実した映画作家活動の後に74年に永眠。多くの作品が戦争の悲劇を主題にしている。

こっちのフランス語の予告編は、完全にネタを割ってしまっているのだが、まー当時はこんなもんだったんだろ ^^;



「ドライヤ-のヴァンパイア Vampyr」(デンマーク 1932)カール・テオドア・ドライヤー監督

一般的には「吸血鬼」なんだけど、今の感覚だと「ヴァンパイア」の方がしっくり来る。ヴァンパイアはおばちゃんで、いわゆるオールバックに黒マントの牙の男が娘の首に..というシーンは一切出てこないので。
若いころ観て魅了され、数十年振りに再鑑賞。やはり素晴らしい。。幻想的な話なのに、妙な現実感があるのが逆に神秘的。吸血鬼の物語だが昼のシーンが多く、もしや、夜のシーンの昼間撮影の技術がまだ未熟だっただけかも…だが、どちらにしても、それが素晴らしい。

やはり白眉はヴァンパイアの呪いの下にある娘を助けようと献血し、朦朧とした青年が見る白昼夢。棺を覗くと息絶えた自分自身がいる。走る馬車に乗せられた棺の窓から見える雲や木々、街並みの幽玄さ。影を追っていくと、影の持ち主の実物にたどり着く幻想。

a0060003_07150495.pngラスト近く、ヴァンパイアが杭を打ち込まれると、呪いにかけられ高熱にあえいでいた娘がスクっと起き上がり「私の魂は自由…」と宣言する。
これは、形は違えど何らかの「 ヴァンパイア」に侵された人が、その呪いに杭を打つことで魂が解放される…という隠喩を感じた。



「俺はダニエル・ブレイク I, Daniel Blake」(英 2015)
ケンローチの新作!「ミラノの奇蹟」同様、カンヌで大賞(本作はパルムドール。51年当時はグランプリとパルムドールに分かれていなかった)を受賞。

58歳の大工、ダニエル・ブレイクは心臓病の発作で倒れ主治医からはドクターストップがかかる。が複雑に絡み合った社会保障システムの壁で疾病手当を受けることが出来ない。社会保障事務所は「では失業手当を申請してください」というが、それには就職活動が義務。働けないのに…カフカ並みのパラドックサルな世界。

すべての申請は、彼が大の苦手のコンピュ-タ-でしなければならない。そうこうしているうちに、2人の子供をかかえたシングルマザ-と出会い、彼女の苦労を聞くうちに同様な社会保障システムの歪みを知る。彼女の子育てや住居を助けるうちに友情がはぐくまれる。

彼はついに持ち金が尽き、すべてを売り払い、何もない部屋で毛布にくるまれて生活するようになり、シングルマザ-も売春にまで追い込まれる。そして、いつもの社会保障事務所での面談にウンザリしたダニエルは、事務所から出ると、事務所の建物の壁にスプレーペンキで「俺はダニエル・ブレイク58歳。俺に疾病手当申請のためのアポイントを取らせろ。そして、電話窓口のお待たせ中のファッキンな音楽を変えろ」と書き座り込む。待ちゆく人たちの拍手喝采!!

もちろん、警察に行くことになるが。そして….こんな悲惨な状況もケンちゃんはユ-モアを上手くちりばめて描く。


秋冬に観て印象深かった作品はこの辺りか。8月に亡くなったジーン・ワイルダー主演の『大陸横断超特急』もかなり楽しかったが、寝不足の翌日に行ったので1/3寝てしまった ^^;
機会があったら体調を整えて再観したい。



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# by j-suguita | 2016-12-25 02:23 | 映画 | Comments(0)

ラ・ロシェル La Rochelle 、レ島 Ile de Ré のプチ・ヴァカンス

今年の夏は、昨年同様に諸事情で予定が立てられず。
なので、天気予報とにらめっこし、晴れ確実な日に一泊だけ海に行く事に。

行き先も昨年同様トゥルーヴィルにしようかと思ったが、以前から気になってたラ・ロシェルも入ってみたいなーという考えも。
が、ラ・ロシェルはTGVになるので電車賃がトゥルーヴィルの二倍近く。

う〜んと思ってSNCFのサイトを見たら、帰りの便が約半額と激安。おそらく、ちょうどユーロカップの順決勝ドイツーフランスの時間帯にズッポリはまるので席が捌けず安売りをしてるのだろう。こんな機会を逃したら、一生行けない!という事で今年は念願のラ・ロシェルへ!

行きも安い便なので早朝の出発。前日に作っておいたおにぎりを焼きおにぎりにして殺菌、恒例の車内朝食を。
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朝焼けの田園風景、普段こんな時間に起きないから美し〜。
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ラ・ロシェル駅に到着、クラシックな美しい駅
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ラ・ロシェルは港の形が複雑なので橋が沢山かかり、それがまた何とも言えない詩情を醸し出す。
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a0060003_22573432.jpgあ〜ちすともご満悦。


途中の観光案内所で地図をもらい、ラ・ロシェルのランドマーク、シェーヌ塔(左)とサン・ニコラ塔(旗の立った右)の横を通って、まずアパマンで荷物を預かってもらう。
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a0060003_00000381.jpg荷物を降ろしてから、再び港方面へ。ホテルはbooking.comで調べてお手頃な港の南側の地区に予約したが、こちらは完全なリゾートアパマンと大学、図書館の地区。清潔だけど無味乾燥。予算に余裕があれば、旧港の北側の旧市街の方が楽しいかも。


この日は旧市街を散策してからリゾートで有名なレ島(イル・ド・レ Île de Ré)へ行く事に。
事前に調べておいたけど、ラ・ロシェルからレ島への行き方はすごく簡単。バスが1日数便出ているので、車がなくても便が良い。駅前のバス停からも乗れるけど、せっかくなので旧市街地をブラブラしてから次の停留所から乗る事に。

沢山の橋を渡る。
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この日はマルシェの日。旧市街を楽しく散歩しながら市場へ。屋内と屋外があり、屋内はすごい充実。連泊だったらアカザエビなどを買って、アパマンで茹でて食べるのもナイスかも。
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a0060003_23033614.jpg屋内マルシェでは、柚子カツオなんか売ってる!和食の浸透率、おそるべし。


a0060003_23033698.jpgバス停に着くと、バス案内図と、直近の出発のバスの番線の案内の電光パネルが!イタリアと違って、これはフランスの良いところだなぁとつくづく。レ島にはAかBの乗り場から。


観光案内所でもらったレ島のパンフレットに詳細と、全体の地図、路線図が付いていてすごい便利。北側海岸を通り、先端の灯台を通りLa porte en Rès が終点になるA線と南海岸を走りLoixが終点となるB線があるようだ。
バスが一時間一本(12時台は無し)あるので、ラ・ロシェルからレ島(イル・ド・レ Île de Ré)への行き方は本当に簡単。
車なしでもオッケーなのが助かる。
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出発まで時間があるので、近くの公園でマルシェで仕入れたうさぎのパテで軽ランチ。
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時間通りバスが来て、レ島(イル・ド・レ Île de Ré)へは、片道が2.8ユーロなので、乗り換えなしの片道ではないかぎり1日5ユーロの券がお得。長〜い橋を通って島側へ。
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この橋、約20年ほど前にエコロジストが建設に大反対したんだそう。
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a0060003_23064393.jpgあ〜ちすとの希望で、とりあえず先端の灯台まで。…結構かかった。ラ・ムエット号(La Mouette ->かもめ)に乗って一時間半くらい?60キロもあるので当然か。


灯台でストップオーバー、その後終点近くの塩田まで行ってみるが、残念ながら塩田ではなくただの野原だった。
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ラ・ロシェルに引き返す途中で、有名な サン・マルタン・ド・レ Saint Martin de Ré でストップオーバー。すごく洗練された素敵な港。ここのカフェでアイスクリームと白ビール。思ったほど高くない。
ここはバス停が港の目と鼻の先ですごく行きやすい分、夏真っ最中には山手線の乗り換え通路くらい混み合うらしい。この時はまだ7月頭だったが。
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a0060003_23064375.jpgラ・ロシェルに戻る。夕日のサン・ニコラ塔。


ホテルで着替えて、また旧港方面に。
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そして、港の見えるブラスリーでディナー。ラ・ロシェル名物の魚のスープ、つぶ貝とゆで海老、たらのカリッと焼きであ〜ちすともご満悦。
ブラッスリーのTVではおりしもウェールズーポルトガル戦を放映。ロナウド君の活躍で2-0でポルトガル圧勝!
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夜の散歩がひときわ楽しい。やはりランドマークの時計塔。
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翌日。
又レ島(イル・ド・レ Île de Ré)に。
途中、ブドウ畑が無限に広がっている。
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夕方にはTGVで戻るので、この日は近場のラ・フロット La Flotteへ。
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昨日のサン・マルタン・ド・レ Saint Martin de Ré よりずっと地味で落ち着いた感じ。小道の散歩も楽しい。
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a0060003_23134081.jpgせっかくなので海岸に行くが、ここはまだ潮干狩り状態の泥の海岸。砂浜にはもう少し歩かなければならないようだが、残念ながら時間がないので、ここで足だけ浸しに降りる。

やー、やっぱし海は良いなーー。
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またバスで戻り、ホテルに預けた荷物を引き取りに行く。ヨットハーバーではヨットレースが開催されていた。
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最後にまたしつこく、旧港でSitting in a daylight sunを。
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a0060003_23134102.jpgそろそろTGVの時間、赤ワインと、総菜屋のラタトゥイユ、スタンドで仕入れたソーセージ+フライドポテトで車内ディナーを。

この日のユーロカップ準決戦はUEFAのサイトで実況をフォローしたが。
なんと!95%ドイツの勝ちと思ってたのがフランス2-0で大優勢!!!車内放送でも「フランス2-0です」と案内がww。
ロスタイムもあるので、ちょうどパリに着いてプラットホームで実況をフォローしてる間に無事試合終了、ドイツを破り決勝進出決定!

たった一泊だったけど、TGVでわずか2時間、小さな町だし、バスも順調だったので疲れなかったし、とてもリフレッシュになった。

いやーバカンスって良いなぁ。



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# by j-suguita | 2016-07-24 23:16 | プチ旅行 | Comments(2)