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貨物列車娘バーサの駆け抜ける青春 『明日に処刑を』

明日に処刑を… [DVD]
スコセッシの初期長編作(72)、『明日に処刑を』(原題『 BOXCAR BERTHA』主演バーバラ・ハーシー、デビッド・キャラダイン)を見てきた。激しく暴力的な作品、と聞いてたんで身構えて出かけたが観賞後残ったのは「爽快感」と、目に沁みるようなアメリカ大自然の緑。

1930年代の大不況下、左翼労働組合員ビル(デビッド・キャラダイン)と、貨物車(BOXCAR)にただ乗りして各地を彷徨うバーサ(バーバラ・ハーシー)の、放浪と戦いの物語です。途中からイカサマ賭博師、脱獄囚も参加し4人でゴッコ遊びをする子供のように強盗を働いてく。段々エスカレートして、はては知事宅パーティー襲撃まで。
勿論そんな日々は長くは続かない。ある日列車強盗に大失敗した彼等は射殺、逮捕、逃亡と散り散りに。そして。。。

タイトルロールのバーバラ・ハーシーはハマり役。ドン底の日々の中、思うがままに生きるバーサを好演。ポスターどおり、能天気ギャングなカンジ。脱ぎっぷりも良く、モデルの様に矯正されていないノビノビした裸体が美しい。エッチも健康的に、爽やかに描かれてる。

ビルを演じるのは「キル・ビル」でカムバックしたデヴィッド・キャラダイン。(「キル・ビル」の役名はここから来てるのかな?と思いググッてみたけど、わからずじまい。)長過ぎる顔は若い時からだけど、社会に反抗する風来坊のカンジ、巧く出してた。組合ミーティングを監視に来ていた警察官をボコボコにしちゃうわ、「俺はギャングじゃない、組合員だ!」と強奪金を組合に持ってっちゃうわ、(組合に受け取り拒否される)相当ズレてる…。ま、そこが良いのか。
ラストでキリストになぞられているのは、それでも彼は殉教者、という製作者の意図なんだろう。

しかし「明日に処刑を」という邦題は、よくわからん。もしかして当時のニューシネマブームにあやかり「明日」、ラストにちなんで「処刑」、でつけちゃったのか?
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by j-suguita | 2006-01-29 08:50 | 映画 | Comments(29)
Commented by 池さん at 2006-01-29 23:59 x
70年代の映画は小学生高学年から中学生の頃に結構観てましたが、『明日に処刑を』はノーチェックでした。

1970年公開の『明日に向かって撃て!』も、原題『BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID』とは全然関係ないですが、きっとラストシーンから考え出されたのでしょうね。

この2つの映画、時代設定は違いますが、ゴッコ遊び的な強盗や結末は似ているのでは。
Commented by j-suguita at 2006-01-30 11:15
池さん、早熟な少年だったんですね!

言われてみれば、かなり共通点あります。
最初、長編処女作と書いたのですが、ググってたら、”ドアをノックするのは誰?”というのが先だと知りました。これは、ハーベイ・カイテル。う〜ン、良〜いオトコ! ピアース・ブロスナンなんかよりずっとステキ。

スチール、http://www.dvdclassik.com/Critiques/dvd_boxcar_bertha.htmでも見られます。(ただ、ネタを割っちゃってるので、これから本作見る予定の人は要注意。)
Commented by 小坊主 at 2006-01-30 15:07 x
ハーシーというと、チョコしか知りませんが、ポスター見ると、健康体が透けて見えるようですね。でも、もうちょいと太ってしまうと、ルノアールの世界に行ってしまいそうで、心配ではあります。

タイトルは、何をか言わんや状態ですね。
まあ、配給会社でも、その程度にしか、力が入っていなかった、というところでしょう。邦題を付けようとしているだけ、近頃の、原題をそのままカタカナにしてしまう風潮よりは、まだ、マシだという解釈も出来ます。

「~撃て」も、随分、いい加減な邦題ですが、何となくカッコ良くて、それが受けてましたね。
Commented by 灰色海豹 at 2006-01-30 16:34 x
>脱ぎっぷりも良く
とても良いコトだと思います。
Commented by kakashi at 2006-01-30 19:19 x
イラストが変わりましたね。前の二人も味がありましたっけ。
映画の事も!全く知らないから・・・・・やっぱり話題に乗れません。しくしく
Commented by j-suguita at 2006-02-01 08:07
タイトルは、そうなんです、生憎この作品を愛さなかった人が担当にあたったのでしょう。
でも、昔「不良少女モニカ」が→ 今「モニカ」に、昔「007危機一髪」が→ 今「007ドクターノオ」に変わりましたから、いつの日か「貨物列車娘:バーサの駆け抜ける青春」と呼ばれて欲しいものです。
・・・って、もっと悪いか。。。

イラスト、前のも見られちゃいましたか照れるなァ、、(汗)
ビルが上手く描けなかったので差替えたんです。
Commented by 小坊主 at 2006-02-01 19:55 x
ビルは、一見、女っぽく、描かれていましたね。
キャラダイン、よく知らないので、なんともいえないのですが。

地下鉄のザジなんていうのもありましたから、有蓋車のバーサも、いいかも。
アメリカ人なら、誰でも、boxcarの意味するものが分かると思いますが、普通の日本人には、無理ですね。
Commented by j-suguita at 2006-02-02 08:49
小坊主さんにも目撃されましたか。照れるなぁ。。。
みなさん頻繁なご訪問、感謝です。

女っぽく見えてたなら、差し替えて正解でした。
バリバリ鉄道労組員ですから、ズレてるとはいえ骨のあるキャラなので!

boxcar、あらためて辞書ひいたら”貨物車”ではなく”有蓋貨車”なんですね。う〜ん、”有蓋車娘”だと”有害者娘”と誤解される(実際ギャングなので有害なんだけど)可能性が。。。
タイトル考えるのはムズいですね。やっぱり「明日に処刑を」でガマンするか。。
Commented by 小坊主 at 2006-02-02 12:51 x
貨車の基本は、無蓋車ですからね。
有蓋車といえば、「ただ乗り」のイメージで、すぐさま、放浪者、逃亡者、犯罪者に繋がります。テレビや映画でも、よく、出てきますね。
アメリカは、東西4500km、まともに払ったら、運賃、すごいでしょうね。
Commented by 灰色海豹 at 2006-02-02 16:51 x
ホーボー、といえばアルドリッチの『北国の帝王』!
ただ乗り王リー・マーヴィンと鬼車掌アーネスト・ボーグナインの容赦なき戦い !
汗臭いおっさんの映画です。ケッサク。
Commented by j-suguita at 2006-02-02 21:54
>貨車の基本は、無蓋車ですからね。
なるほど、それでBOXなんですね。

アザラシさんがおねーちゃんの出てこない作品がお好きとはめずらしい...
映画を見て「うわっ」と言っちゃたのは、この作品が初めてでした。
そういえば、こっちは兄貴の(弟?)キースが出ていました。
Commented by 小坊主 at 2006-02-02 22:13 x
北国の帝王、もう、ほとんど、忘却の彼方です。。
テレビで見ただけなので、気合いが、入っていませんでした。
Commented by 灰色海豹 at 2006-02-02 23:21 x
硬派なんです、わたくし。

アルドリッチのケッサクには他にも『キッスで殺せ』があります。隠れた名作品には『ガンマン』。いいオトコが哀れに終るラストには泣きます(これも酷い邦題)。
Commented by 灰色海豹 at 2006-02-03 14:39 x
修正 ↑ 『ガン・ファイター』でした。
Commented by 小坊主 at 2006-02-05 13:23 x
話の切れた所で、蕪、ですが、英語で蕪といえば、頭が弱い奴、という悪口になります。
蕪の、見た目、なのでしょうか、愚鈍な印象を与えるようです。

ダーウィンが、進化論を発表した時に、それを批判した学者が、「それでは、君は、優秀な蕪を育てていけば、いずれ、人間になるとでも言うのかね?」と言ったという話が伝わっています。
Commented by t-kuwabara at 2006-02-05 15:36
おお、いつも博識shな話題を有難うございます !
「蕪って、突然なんだぁ?」と思われた方は
http://t.kuwabara.free.fr/
の拙作「絵日記ブログ」、1月31日の駄文をご覧下さい。
(と、さりげなく宣伝)
あ、それからコメントも出来ますので、物知り坊主さま、みなさま、是非どうぞ。
Commented by 小坊主 at 2006-02-05 16:17 x
ダーウィンと蕪の話は、割に有名なようで、あるSF短編に、次のようなくだりがあります。

タイムマシンで、遥か未来に行ってみたら、すでに、人類は死に絶えていて、妙な生き物が歩いている。
君は一体、何だね?と聞いたら、その生物の答えて曰く、
「私は、かつて、あなた方が、蕪と呼んだものです。」
Commented by 灰色海豹 at 2006-02-05 16:43 x
カブじゃないけど、似た生物が映画・演劇界には居ますね。
ダイコン、という種類のようです。

あ、あとブンガクの世界にもいましたね。え~と、赤いやつで、何ていったかな・・
Commented by 小坊主 at 2006-02-05 22:54 x
赤いブンガクで有名なのは、ルナールよりも、カナダの郵便局のおばさんのほうでしょうね、最早。
灰色さん、分からないだろうな。
スギタ嬢に聞いてくさい。
Commented by 灰色海豹 at 2006-02-05 23:03 x
カナダの郵便局 ?
でも、赤毛って良いですよね。
Commented by j-suguita at 2006-02-05 23:57
"スギタ嬢"とはうれしいな♪ 娘のころの呼び名じゃぁないですか。
今ではスギタのXXですが、ドンマイドンマイ。
Commented by j-suguita at 2006-02-06 06:00
評論サイトでにわか勉強したところ、ビルはキリストでバーサの方はマグダラのマリアになぞらえている、という論もありました。
バーサは娼館にまで落ちるので、そういう見方もアリかも。
(・・・って、どんどんネタわってるな。。。見てない方々、スイマセン)
Commented by 小坊主 at 2006-02-06 22:00 x
ルーシー・モード・モンゴメリーという、おばさんです。

キリストとマリア、ですか。
そういえば、神の子を宿して、マリアは、嬉しかったんでしょうか?
しかも、身に覚えも無く。。。
Commented by 灰色海豹 at 2006-02-06 22:25 x
知らぬうちに妻を寝取られたヨセフ(結婚前から身篭っていたという説もあり)。
ま、相手が相手だけに防ぎようが無かった、ですね。
無名の大工だったが、一応セレブにもなったし、、、許す、か。
Commented by j-suguita at 2006-02-07 07:19
そういえば、パゾリーニの”奇跡の丘”は、とまどうヨゼフと、確信したマリアのアップで始まりますね。役者の表情の素晴らしいこと。。。
表現的なイタリア人ならでは、なのでしょうね。
逆に北野武はカンヌ映画祭でフランスに来たとき、
「あなたの作品の登場人物が無表情なのは何故ですか?」
と問われ、
「日本には”能”というものがある。仮面のように無表情だからこそ、
見る人にイメージをふくらませてもらえる。」
と答えてました。日本人がヘンに感情入れて演技するとダサクなる
場合があるのはその辺の文化の違いなのでしょうね。
Commented by 小坊主 at 2006-02-07 22:45 x
よく、「小面」が、引き合いに出されますね。
確かに、光の加減で、どういう表情にも、見えるように思います。
Commented by j-suguita at 2006-02-08 04:23
「小面」って、でぐぐってみましたが、(”こづら”ではなく”こおもて”だと初めて知った。。。)
ほんのり微笑んでるような、微笑んでないような、微妙さがイマジネーションを誘うのでしょう。
お能は、高校の課外授業でおもいっきし寝てから行ってませんがいつか再挑戦したいものです。
Commented by 小坊主 at 2006-02-08 21:18 x
小面憎い、という言葉も、ありますからね。。
こわもて、とは、読まないでくださいね。
Commented by j-suguita at 2006-02-09 03:41
あ、そうか。それで、”こづら”と思ってしまっていたんですね。
まんざら的外れな読み違いではない、ってことで安心。